箕田海道厨の新刊買い道中

右ねじです。

マンガが好きです。
でも好きな物だけ読みたいので、コミックス派です。
ストーリーのあるマンガはストーリーに沿ってエンディングに向かっていくので、コミックス派は読んでいるマンガはどんどん終わっていきます。
なので口コミに頼るか、書店でジャケ買いしています。

しかし近年Twitterをやっていれば勝手にマンガが流れてくるようになり、そこから新たなコミックスに出会えるようになりました。
今回はそこで出会った作品の著者「箕田海道」先生の新刊を買いに行く(コミティア131)間に、なんでこの人の作品が好きなのかを思い出してみようと、そういうアレです。


そもそも最初にTwitter上で箕田海道先生の作品を見るにあたっては、いくつかのマンガとマンガ家さんを経由しました。
TL上にTwitterマンガを雑多にRTする人が何人かいて、Twitterでバズった漫画は自動的に僕のTL上にも流れてくるエコシステムなのです。

多分まず最初に、もちオーレ先生の「出会い系サイトで妹と出会う話」を読んで、もちオーレ先生をフォローしていたら鈴木先輩先生とか、くるくる姫先生とかの百合作品がTLに流れてくるようになり、そのいつかで箕田海道先生の多分🐬が流れてきたんだったと思う。


ツリーでいいところまで読めるから、百合OKな方は読んでみてください。

これで引き込まれた。理由はシンプルにこの作品の中のお嬢様にメイドと同じように感情を振り回されて、なんやねんこいつは…と思いながらも、お嬢様の反応が失望でも怒りでもなくて、ぴったり求めた通り、最後のセリフを言いたいがためにメイドのリアクションを計算した信頼のワイルドピッチだったのならこの二人、強いな…。と思ったのでした。

しかしまぁこの時はTwitter上で読んで終わった。面白かったのでTwitterフォローした。


しばらくしたら、今度はこれが出てきた。

さらに昨年2月、この続編を携えてコミティアへ参加されるとの告知があった。

なんとなくBoothとか面倒だな…と思っていたが頒布しに来てくれると言うのなら喜んで買いに行こう。と思ってビックサイトへ行った。ありがたい。

その時買えたのは、「おまえをリコーダーで殴りたい」の1&2、そして冒頭の🐬、「月形家の二人遊び」だった。


「おまえをリコーダーで殴りたい」シリーズは2019年の夏に新刊が出て、全3巻で完結する。

これは故郷へ帰って決着をつけたいことがある主人公の岬、それを見届けた野花と、岬の大学の友人で全方向面白がり女の藍子の3人による、いろんな意味での想い想われを描いた作品になっている。

僕が最も良いなと思っているところは、この作品、思考というか葛藤が緻密に言語化されていることだ。幼いころにぶち当たり、複雑な思考・シミュレーション・感情の整理ができないが故に曖昧なまま放置されていた問題に、自我が芽生えてから向き合うと、「もしかしたらこうなるのかな?」と思わせるような思案サイクルのリアルさ。


例えば自分の例だと、子供の頃って結構いろんなことで理不尽に怒られていた。教室の黒板は最初から曲面になっていたのだが、壁と黒板の間に入り込んで、「先生!黒板曲がってるー!」と言ったら「あなたが曲げたんでしょ!」と切れられて家族を呼び出された。子供の力で黒板なんか曲げられるわけがない。当たり前だ。そういう商品なのだ。

でもその時はうまく反論ができなくて、先生にめちゃくちゃ怒られてしまった。今考えると、反論の余地はいくらでもある。だが反論したい先生がいない。死んではいないが、どこにいるかわからない。そういう意味では、その時理不尽に怒られた僕の意識は、そこで傷ついたまま母校に残存しているのかもしれない。


脱線したけれど、自我が芽生えたことでそういう思考の型ができた岬が、過去現在および自己認識・野花・藍子と関わりながら「納得」して前に進んでいく物語。

徐々に深く掘り進んでは、諦めて浮上したりしてまた潜っていく思考の繰り返しが、その文体と視覚表現の組み合わせによって精度の高い葛藤になってる。

といってもどよ~んなのは1だけで、2と3はそこから180°違う方向の葛藤なので、ギリッギリ行くか!?いかないのか!?みたいな感じを味わえます。理性とパッションが戦ってるのを横から覗き見してるんですよ。がんばれパッション!!押せ!!!ッハーー!!!!なるほどぉーー!!!みたいに楽しめました。


「おまえをリコーダーで殴りたい」は初めて本人から購入した(と思うけどわからないけどそうだと思うことにしてる)から思い入れがあり、夏の新刊は買いに行けなかったがBoothで購入した。最初からそうしてれば運送業者さんの賃金に貢献できたのに。3巻でいろんな意味で爆笑した。


そしてもう一作、ストーリーがめちゃくちゃ好きなのが「月形家の二人遊び」です。

問題というか僕がドハマりしたのは終盤の展開のところなので、ここでネタバレをするわけにはいかないので読んでください。読んだよと申告してくれた人と語りたい。こんなにも美しいもので繋がっている二人が、尊くて尊くて…長すぎる夜に光を探すわ。(Way of Difference / GLAY)

えっあーーーーーーーーーーーという声が実際に出たという記録が残っている。

この二人も、とにかく抱えて抱えて、堰を切ったように言語化する。それが途中までと終盤を読んでからだとぜんぜん印象というか、読んだ側に残る結果がガラッと変わるんですよ。最近、豊橋カレーうどんというB級グルメを知ったんですけど、それくらい最後の最後で味変わる。


そして最近(2020年1月22日)出たのがこちら、もちオーレ原作、箕田海道作画の「病月」。



ここで伏線が回収されるんですよ!なんの?僕のTLの。

もちオーレ先生という人はもうとにかく珠玉のアイデアを次々生み出す人で、単発の作品がとにかくたくさんあるのですが、昨年から原作活動を始められております。

こちらはmajoccoidさんとの共作でコミックREXに連載中の「イケメン女と箱入り娘」


箕田海道先生が作画されている「病月」には、とんでもない闇のオーラと怒らせると何するかわからない怖さを武器に、溢れる想いを言葉と行動で一方的にぶつけてくる「田山 祥子」と、猛アタックを受けながら友人関係と自由時間の崩壊に悩む主人公「霧 花絵」、突如現れ霧花絵を守るためめっちゃくちゃ強引な提案をしてくる「籠屋リョウ」ががいます。圧倒的な重量で思考・言語化してくる人間と、どうしたらいいかわからず葛藤のある人間と、理路整然と正論でガン押ししてくる人間がいますよ。これを思考を緻密に作画する箕田海道先生が描いてるんですよ。めっちゃおもしろいですよ。

まだ1巻ですがモブ以外全員個性的で非常に楽しいです。ぱっとみヤバイ田山、身元不確かで超強気な騎士籠屋もやばいけど、田山祥子の暴走を止めるためだったら自分の感情は置いておいて抱き着いたりキスできる花絵さんが一番ヤベェんじゃないかと僕は思っています…。1巻はめっちゃくちゃヤバい状況で終わるのですが、その時にその場にいない幼馴染の心配をしてるというのも恐ろしい。視野が広いというより、本命そこなんじゃ…?田山にアタックされるのと籠屋のリアクションで女同士ってやっぱアリなんだ!ってなって林檎ちゃんにいくみたいな…ありえそうなんですよ。やべえから。


2巻以降もすごく楽しみです。とりあえず2巻が読みたい。この騒動どう収集つくんだろう。


とか言っている間にコミティア会場つきました、と言いたいところだったのですがもっと全然前に会場ついて新刊手にいれて読み終わりました。それはまぁTwitterで乾燥言ったからいいか…

そう、また展開が素晴らしかったのだった。あとテーマが割と身近だったので入り込めました。最高です。

よっしじゃあ終わろうか!言いたいことは言った。まとめる必要なんてないこれは僕のブログに過ぎないのだから。


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ほねでざいん honesty-to-desire.inc

あれもしたいこれもほしい、欲求に正直なホモサピエンスのチラシの裏 I live honesty to my desire.

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