佐賀ん鳥栖に代理で行ってきた時のこと


2013年11月、両親の両祖母が相次いで体調を崩した。

二人とも入院し、両親は二つの病院に毎日通い、一時は色々な事を考えざるを得なかった。

色々な事の中に、「既に買ってしまった、浦和レッズ戦のチケット」があった。

2013年11月30日(土)の14時キックオフ、佐賀県鳥栖市で行われるサガン鳥栖のホームゲームだ。

親は誰かに譲ろうと一瞬考えたらしいが、ふと気づいたのである。

息子が暇であることに。


昨年両親と3人で佐賀へ行ったとき、僕は両親に席を取ってもらい、

自分は吉野ヶ里遺跡を満喫したという負い目があり、断ることが出来なかった。

ただ飛行機代は親が出してくれた。

家族も知り合いも一緒に乗らない、一人飛行機は初めてだった。


福岡空港から特急ゆふいんの森号に乗り、鳥栖駅へ。

自由席が満席で、デッキで立っていた。

周りみんな、レッズファンだった。

そりゃそうだ。鳥栖側はメインもバックも空席があるけどレッズ側は完売なのだから。

朝一の飛行機すぐの特急で鳥栖に行くのはレッズファンだけなのです。


スタジアムについてから12時に開門するまで、2時間ほど暇だったのでひたすらゲームをしていた。

2013年末は確か、黒猫のウィズをやっていたんじゃないだろうか。

ぷよぷよクエストもやっていた気がする。このころ親がauのwi-fiルータを契約したので、それを借りてひたすらやっていた。


開門から試合が始まるまでの間、コンコースの酒バーでひたすらいろいろな酒を飲んでいた。

気の利いた店で、九州島内のおいしいとされる酒が揃っていた。

それを紙コップ1杯500円で飲めたので、昼だが呑んだ。

あるあるだと思うが、僕は酒を少しでも飲むとすごくコミュ力が上がる。

近くの席のおば様と仲良くなり、旦那さんと仲良くなり、ミカンをたくさんいただいた。

酒もつまみもあり、最高の気分だった。

スタジアムスタッフの女性に一人、超絶可愛い方が居たのでお願いして写真を撮らせてもらった。


試合が終わり博多駅に戻ると、携帯の充電がなくなってしまった。

ゲームのやりすぎだ。

モバイルバッテリーを買おうかとも思ったが、これから中州に行くのに所持金を減らすことはしたくない。

そして、キャナルシティ博多のauショップまで行って、1時間充電した。


中洲へ移動すると、イメージしていたよりも相場が少し高かった。

イメージが間違っていたのだ。

中洲=いい歓楽街=安い だと思っていたのだが、中洲=いい歓楽街=レベルが高い だったのだ。

つまり、普通の値段でレベルが高いということ。

何件かまわって一番納得する価格のところへ行った。モバイルバッテリーを買わなくて本当によかった。

お得感は低いが、30分コースというのがあった。飛行機の搭乗手続き締切まで1時間半を切っていたので、短いという声を押しのけて突入した。


僕はこの旅を、「親には言えないけど超可愛い子にたくさん会えた旅だった。特にスタジアムの女の子が可愛かった」として友人に話した。

友人たちは写真を見せろと言い、僕は写真を見せた。

「ピンボケしていてよくわからん」と言われた。


この旅行中、僕はスマホは持っていたがデジタルカメラを持っていかなかった。

フィルムカメラと36mmフィルム4本だけで行ったのである。

だからフィルム代をケチっておばさんもみかんも撮らなかった。

唯一ここだと思って撮影した彼女も、ピンボケしていた。

多分シャッターを切る一瞬、前のめりになってしまったのだろう。理由は言わないが。


「思い出は記憶の中で美化されていく」とよく言うが、その思い出が鮮明なものから一度ピンボケしてしまった。

すると不思議なもので、僕はもう彼女のピンボケした姿しか思い出せないのである。

3年も経った今、ほとんど輪郭しか覚えていない。

覚えていないものは美化しないのだろう。


せっかく現像した写真も、友人たちに思うような評価がもらえずぞんざいに扱った結果どこかへ行ってしまった。

ほねでざいん honesty-to-desire.inc

あれもしたいこれもほしい、欲求に正直なホモサピエンスのチラシの裏 I live honesty to my desire.

0コメント

  • 1000 / 1000