『あなたが想像するより繋がらない』 #楽天モバイル無料サポータープログラム


 楽天モバイルの「無料サポータープログラム」というものに応募してみたところ、当選し参加しています。

楽天モバイルは、docomo・au・SoftBankに続く第四の「キャリア」として、本来は2019年10月に携帯通信事業に参入する予定でした。

基地局の整備が間に合わず正式サービス開始は2020年4月に延期しましたが、東京・大阪・名古屋の5000人限定で「無料で回線テストに協力できます」というサポーターを募集しており、それが「無料サポータープログラム」です。


これが、「10月サービスインできなかったことを火消しつつ、無料につられたサポーターをうまく利用して、サービスや通信品質の良さを拡散させよう」という取り組みなのですが、まぁことごとく裏目に出てる。仕込んだ策が全部悪い面ばかりカイジでも負けたら死ぬだけで終わりなのに、負け残り方式のカイジを見ているみたい。あれだ、閻魔大王に地獄に送られた罪人が様々な地獄で苦しめられて死ぬと、生き返らされて永遠の苦痛を味あわされるやつ。


実際問題、「楽天モバイルって他の回線より速くて快適だね!」って言わせたかったんだろうけど、「繋がらない」と総務省に相談が寄せられる始末。お粗末な顛末。



別府温泉もびっくり 楽天モバイル地獄めぐり

ほんと、こんなつもりじゃなかったと思いますけどね…


地獄1.建物の中でつながらない

僕は東京都渋谷区に住み港区へ通勤しています。楽天モバイルの回線だと、屋外ではだいたい問題ないですが屋内だとつながらないです。名古屋にも行きましたがビル内ではアンテナ1でしたね。

かと思うと新幹線に乗って横浜・静岡を通過するときは全然問題ない。屋外に近いからかな。

※au回線だった可能性があるため取消しました


純粋な楽天モバイルの回線で測定した結果


(2019.10.23追記)

屋外では繋がると思ってましたが、屋外でも楽天の回線(440-11)に繋がっている時間はほぼ無く、ほとんどauのLTE回線でした。2026年まではauの回線を借用しているため、強制的にそちらに振り分けているようです。

auの回線を使ってても「Rakuten」で表示してるので気づけないですけどね、、楽天モバイル繋がるし速いじゃんと勘違いしてしまいそう。


繋がってるときは早いんですけどね…そこを売りにしたかったんだと思いますけど、そもそも使われている数が段違いに少ないですから、auやdocomoと比較するのは前提があってなさすぎる。

だって東名阪に限定されたうえで、全体で5000人しか当選しないうえ、さらに手元に端末とSIMが届いてる人がどれだけいるのか。

マメな人が「当選した」とつぶやいたひとをリストにまとめてくれてますが、それによると現時点で233人らしいです。全国で。


一定以上の年齢の方なら覚えてると思いますが、昔ソフトバンクも繋がらないと言われてましたよね。その後、プラチナバンドを手に入れた!と言ってからかなり改善されています。これは昔、ソフトバンクが使っていた電波の周波数帯に関係しています。


日本でスマホが普及し始めたのが2008年頃、当時1.5GHz帯と2.1GHz帯を使用していました。周波数は数値が低ければ低いほど遠くまで届くという特性があるので、800MHz帯を持っているdocomoやauに比べてつながらない、という環境だったのです。

ソフトバンクはこの状況を不公平だとアピールし続けた結果、その後2012年に900MHz、2015年に700MHzを割り当ててもらえたことで改善されました。


そんな中、今回楽天モバイルが割り当てられているのは1.7GHz帯のみです。
ソフトバンクが持っていて繋がりにくいと言われていた1.5GHzと2.1GHzの間ですから、2019年の我々の感覚では「非常に繋がりにくい」周波数帯しか持っていません。


その上、楽天モバイルの基地局整備は遅れており、正式サービスまでに3400の基地局を整備する予定でしたが、現時点で1650ほど。残り25週でどれくらい増やせるのでしょうか。


ちなみに全国で、の話です。

東京だけでもドコモは5100、auは10000、ソフトバンクは8000持ってます。既に。

地獄2.サポートがつながらない

サポーターなので通信状況が悪い箇所を見つけたら報告すべきかな?と思いサイト上のチャットサポートを受けたのですが、

チャット開始から30分待ち、

状況を伝えてから30分待ち、

追加の質問に答えて1時間待ち…と即レスとは言えない状況。他社や他業種のチャットサポートがいかに迅速に回答してくれるかを痛感します。


地獄3.無料なのは回線だけで端末は有料 

悪魔的所業…! 既存業界に後から参入するんだとしたら、サービス開始時にはとにかく良い印象を与えたいですよね。 

遅れてしまった基地局建設でスタート時期は遅れちゃう…イメージアップのために「無料で使える」キャンペーンをやろう! とバーンと告知して、ふたを開けてみたら「端末は買わないとダメです」って、

期待させておいて落胆させるって一番嫌われるやつでしょ。  


SIMフリー端末もこれだけ豊富にある世の中で、既存大手キャリアもSIMロック解除を義務付けられてやってるのに、 

なんでおまえの回線テストのために 

おまえのところの端末を 

おまえのために買ってやらないといけないんだよ!!!!!!




とまあこんな感じで、ありとあらゆる面が、目の肥えた2019年の私にとっては低レベルに見えてしまい、整備遅延を「無料で回線使える!」「速度はやい!」の口コミでかき消してしまおうという楽天モバイルの狙いは、見事に失敗しているように見えます。

とりあえず僕は、正式サービス開始しても使いたいと思いません。



「無料」なのは回線だけ、端末は買えよ。って、法的にアリなの?

これは僕以外のサポーターはあんまり気にしていないっぽい。「そういう条件で応募したんだからしょうがないじゃん」という気持ちなんだと思いますが、それで通るほど法律はガバガバではありません。

めちゃくちゃ安いと広告では表示しておいて、契約書をよく見たらオプションてんこ盛りで実質高額でしたなんて事例とか、

欲しいものを買うのに要らないものを買わないといけないなんていう事例が存在して、そういった事例から消費者を守るために規制がされるようになっています。楽天モバイルがやっている悪いことは、だいたいやり尽くされていると思うので、どこかしらかで規制に抵触すると思います。


疑問1. 景品表示法「有利誤認表示」にあたらないのか?

景品表示法は広告とかで消費者にめっちゃ有利な点をアピールして不利な点を隠す「有利誤認表示」を規制しています。

今回のように「無料です!」とアピールしておいて、要件にも「以下の端末をご利用いただくこと」とは書いてあるけど、「購入してください」とは書いて無くない?その表記も小さいし。  

ポイントプレゼントのゾーンの下に小さく「以下の端末をご用意ください」と書いてあるけど、それはポイントプログラム対象と誤認を誘ってません? 


キャンペーン名「無料サポータープログラム」ですよね?  

それでやることは実質、回線テスターなんですよね? 

だったら、端末も貸し出せばよかったのでは…? 


まずもって無料と言われて集っているのになぜ端末を購入しなければいけないのか。

しかも協力している側なんですけど。 モヤモヤしたまま契約してしまったので、共感する人がいてほしいという気持ち…。


疑問2. 独占禁止法「抱き合わせ販売」にあたらないのか?

「無料で回線を提供するよ」というサービスと端末の抱き合わせ販売ですよね?  

独占禁止法で禁止されている「抱き合わせ販売」の構成要件は、以下の3点です。  

  • 主たる商品・役務と従たる商品が別個の商品・役務であること 
  •  「購入させる」こと 
  • 「不当に」(公正競争阻害性) 

まず今回の主たる商品が回線であるとするならば、従たる商品というスマホ端末が、別個の商品・役務であるかということですが、

SIMロックが当然必要であった以前ならまだしも、現在はむしろ「SIMロックによって端末と回線契約の選択の自由度を阻害すべきでない」とされています。であれば回線とスマホ端末はもはや別個の商品・役務であると言えると思います。 


「購入させる」こと 購入させてます。 


不当に競争を阻害していますよね? 

無料で回線を利用できるのであれば、と飛びついて、サポーターに当選しちゃったし仕方なく端末買わなきゃ…と端末を販売しても、どう販売したって関係なく楽天モバイルとしての端末販売数は増えて、メーカーにその数は報告されるわけですよね。 

例えばSHARPから見たら、楽天モバイルの販売数がすごい!となったら他キャリアよりも楽天モバイルの意見を優先していくでしょう。  

キャリアの観点からも、他に3社ありますが、半年間のプログラム期間のみとはいえ通信回線が無料になるキャリアなんてない。その点を魅力にMNP転出されたら、キャリア3社はおい!と思うんじゃないですか。 


 どの観点から見ても公正な取引・健全な競争を阻害しています。


疑問3. 独占禁止法「優越的地位の濫用」にあたらないのか?


多分、勇気のある人は契約の段階で端末を買わないで、自分の手持ちの端末で使ったりしているんじゃないかと思う。

でも、レギュレーション上は「この端末買ってね」だったんですよねー。

「指定した端末を買わなかったらキャンペーンから除外されるのではないか」という恐れがあり、契約してしまいました。  


独占禁止法の優越的地位の濫用は消費者取引には現状適用されていないですが、

「無料サポータープログラム」参加者に対し、楽天モバイルがキャンペーンの運用を自由にできるという立場で、「この端末を買ってね」と要求することは、十分援用される余地がある事例なんじゃないでしょうか。 


以上、それぞれの論点について気になることを書きましたが、正しいかどうかはわかりません。  

なので、総務省と公正取引委員会と消費者庁に相談済みです。回答があり次第、更新します。




そもそも楽天が第四の「キャリア」になりたかった理由

①楽天経済圏の強化

②MVNOの宿命からの脱却

③先進基地局でグローバル展開


やりたかったこととしては、おそらくこのあたりでしょう。楽天エコシステムを拡大していくことによって、サマーウォーズでいうOzのような世界を目指しているので、どうしてもインフラに参入したいというのはあったはずです。

またMVNOである以上、回線の間借りに過ぎないためdocomoやauとの交渉をしなければサービス向上が望めないという現状は、楽天経済圏としても楽天モバイルというサービスの将来性にとっても足かせとなっていたと思います。

そして1億2千万人、南北約3000kmの人が多くて国土が長い日本で通用する通信インフラをグローバル展開していきたい、というのは僕としてはぜひ持っていてほしい野望です。


将来的なことを言うと、5Gの周波数帯は、auとソフトバンクと同じレベルで割り当てられています。  

5Gを一番早くサービスインさせて、4Gなんか要らないよねということにしたいのが今の楽天モバイルの本音じゃないかな。 


 僕はとりあえずアンケートには答えたりしますけど、途中でもしやめさせられたりしたらまたご報告いたしますね。


ほねでざいん honesty-to-desire.inc

あれもしたいこれもほしい、欲求に正直なホモサピエンスのチラシの裏 I live honesty to my desire.

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